Column (1月) 


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2025.1.23 オリジナル脚本のドラマが増えて喜ばしい

TBSのドラマ『VIVANT』(2023年)は、それなりのお金をかけて、じっくり練られた脚本ならヒットに繋がるという方向性を示したことが、それ以降のドラマ作りに良い影響を与えたと思う。 そして日テレのドラマ『セクシー田中さん』の作者が、実写化の改変に心を悩ませ自殺した問題があって以降、原作物の難しさを実感し、オリジナル脚本に力をシフトしたようにも見える。 それを受けて去年は各局とも、見応えのあるオリジナル作品を産み出してきた。 特にTBSは『不適切にもほどがある』『ライオンの隠れ家』『海に眠るダイヤモンド』など、良質なオリジナル作品が記憶に残った。 今期もオリジナル脚本のドラマが続々とスタートしている。 日テレの『ホットスポット』、TBSの『御上先生』など、次週が待ち遠しい作品だ。 ただ、製作スタッフの若手育成や芸能事務所との関係など、様々な思惑があるからか、よくある展開や稚拙な演出の作品もあり、それは仕方ないことなのかも知れない。 伊坂幸太郎は『オーデュポンの祈り』の中でこんなことを書いている。「テレビをつけても、見たこともない俳優が見たことのある展開のドラマに出ていて、興味が湧かない」 浜田省吾は『こんな夜はI miss you.』という歌の中で「テレビのナイト・ムービー お決まりのエンディング 俺が観たいのは その後のストーリー」と歌っている。 未だにマンガ原作の実写化ドラマは、深夜帯にはたくさんあり、テンプレートに当てはめたようなストーリー展開も多いけど、演出次第でいかに視聴者を惹き付けるかを目指して、アイデアによる挑戦を見せて欲しいものです。

2025.1.17 躊躇なく、容赦ない。笑顔の渋谷凪咲

真犯人が拳銃を突き付けて「冥土の土産に教えてやろう」とかいうセリフ。 これは目の前の相手に言っているのではなく、作者が読者や視聴者に向かって状況を説明している、つまらないセリフ。 真犯人にとってはメリットなんて1mmもない。 映画『インディ・ジョーンズ』で、大降りの剣を器用に振り回して登場してきた敵に、インディが一瞬ゲンナリした表情をして、銃でズドンと仕留めるシーンがあった。 その躊躇ない仕草が気持ち良かった。 つまらない説明セリフはテンポを悪くする。 そういう意味で『ベイビーわるきゅーれ』の主人公の2人のアクションは、つべこべ無駄なセリフを言わずに、非情に徹して相手を殺すスタンスが格好よかった。 14日(火)深夜TBSで始まったドラマ『地獄の果てまで連れていく』の渋谷凪咲の演技が注目されている。 親友だと思っていた主人公の後輩が、恐ろしいサイコパスだと解るシーン。 笑顔のまま鋏で主人公を刺す時の躊躇のなさと、容赦のない攻撃性。 しかも常にあの「なぎちゃんスマイル」のまま、血まみれになりながらオイルをまき火をつけるまでの狂気。 去年のドラマ『無能の鷹』での菜々緒の起用と同じくらい、今回のサイコパスを渋谷凪咲にキャスティングした功績は素晴らしい先見性だと思った。 一筋縄ではいかなそうな復讐劇はまだスタートしたばかり。 第1話で強烈に掴まれた感情を、今後の展開がどう昇華させてくれるか、楽しみだ。 

2025.1.09 年末年始はYou tube三昧

冬の連続ドラマも全て終了して年の瀬を迎えると、ドラマ・マニアにとっては観るものがなくなってしまう。 毎年の習慣で「NHK紅白歌合戦」は観たけど、韓国系のグループばかりで、歌唱曲よりも知らないアーティストのダンスミュージックの方が多くて、感情移入が出来なかった。 年末の似顔絵現場に一緒に入った画家さんと、舞台演劇の話に花が咲き、昔好きだった劇団の作品を観たくなった。 惑星ピスタチオという劇団には佐々木蔵之介が所属していて、真上からのスポットライトとか逆光のような照明、スピード感のある演出で、劇団新感線に通じるような2.5次元の走りのようなスタイルが懐かしい。 昔よく観たのが『破壊ランナー』という1995年の作品。 2700年には音速を超えて走れる走行理論が定着して、超人的なレースに熱狂している世界の話。 これがYou tubeに全編公開されている。 他にも好きだったカクスコという男6人の劇団。 こちらは、ほのぼのとした日常の中の人間関係を描き出す作風で、見事なアカペラ歌唱のアンサンブルが劇中に挟み込まれていて、それだけでも観る価値がある。 『年中無休』とか『正月どうすんの?』など、結構何本もアップされている。 他にも東京サンシャインボーイズの『幕をおろすな』は、ずっと観たかったのでYou tubeで公開されていて嬉しかった。 2009年に解散から15年ぶりに復活した東京サンシャインボーイズのメンバーによる『returns』というのも面白かった。 本編の舞台も楽しかったけど、メンバーのインタビューや制作風景を記録した映像は興味深かった。 三谷幸喜の天才ぶりがよく解る内容で、こういうのがYou tubeで観られることに感謝です。  

2025.1.01 定番化した朝ドラ「三姉妹」設定

次の朝ドラ『あんぱん』のキャスティングが発表になった。 主人公(長女)朝田のぶを演じるのは今田美桜、次女・蘭子を河合優実、三女・メイコを原菜乃華という三姉妹設定。 『アンパンマン』の産みの親、漫画家のやなせたかしの妻をモデルとしたストーリーという。 朝ドラに限ったことではないけど、男でも女でも「3人」というのは安定感が得られる設定のようだ。 キャラクターを強調しやすいし、ストーリー展開上も与党と野党のように、主人公に賛同する側と対立する側とを上手く表現できるのが良いのだろう。 過去の朝ドラ三姉妹を調べてみた。 仮に10年前からを調べると、2014年『花子とアン』長女・吉高由里子、次女・黒木華、三女・土屋太鳳。 2016年『とと姉ちゃん』長女・高畑充希、次女・相楽樹、三女・杉咲花。 2019年『スカーレット』長女・戸田恵梨香、次女・桜庭ななみ(最近改名、宮内ひとみ)、三女・福田麻由子。 2020年『エール』長女・松井玲奈、次女・二階堂ふみ、三女・森七菜。 2022年『ちむどんどん』長女・川口春奈、次女・黒島結菜、三女・上白石萌歌。 三姉妹ではないけど「3人組」、古くは「3バカトリオ」とか『魔法使いサリー』のサリーちゃん、よしこちゃん、すみれちゃんや アニメ『キャッツアイ』や米ドラマ『チャーリーズ・エンジェル』なんてのもあった。 仲良し3人組で印象に残っているのは、ドラマ『東京タラレバ娘』の吉高由里子、榮倉奈々、大島優子や、『ブラッシュアップライフ』の安藤サクラ、木南晴夏、夏帆が思い出される。 数え上げたらキリがないほど定番中の定番な設定。 主人公以外に、いろんな視点の登場人物が傍にいることで、視聴者は感情移入する対象を見つけやすくなり、物語に入っていきやすいんだろうね。