▲過去の作品

世界歴代最高得点で金メダル  木原龍一(りくりゅうペア

ミラノ・コルティナ五輪で一番の感動劇だったフィギュアスケート・ペア。 SPでのリフト時のミスで5位という結果に、失意から呆然とリンク上で蹲る彼の背中から、一視聴者のぼくですら「これは終わったな」と思ってしまった。 翌日に行われたフリーの演技前まで、ずっと泣き通しだったという彼が、気持ちを立て直して演じたパフォーマンスは完璧だった。 実況した、元ペアの高橋成美の解説も的確かつ印象的で、「すごいすごいすごいすごい」「この演技、宇宙一ですよ」が心に残った。 8月獅子座男子と12月射手座女子の相性はトップクラスと言われるように、2人の出会いは最初から奇跡的なものだったらしい。 体格、スピード、タイミング、技術、環境などなど、レベルが近いほど良いとされる中、2人のそれは驚くほどのシンクロ率だったからこその金メダルなんだろう。 どん底のメンタルを一夜にして引き上げた、目には見えない「信頼感」という心のシンクロが成し得た結果だと思える。 フィギュアスケートと言ったら、どうしても浅田真央や羽生結弦のようなソロのスター選手に注目しがちだけど、ダイナミックな投げ技やリフトの力強さ、息の合ったスケーティングなど、ペアならではの面白さを教えてくれた2人。 世界歴代最高得点というおまけまで付いての金メダル。 感動をありがとう!
2026.3.01

SP5位からの大逆転劇  三浦璃来(りくりゅうペア

ミラノ・コルティナ五輪終了後、帰国してからの記者会見が毎日のようにテレビで報じられている、シンデレラ状態の2人。 奇跡のペア誕生などの話は、メディアで何度も紹介されている。 互いにペア解消していた状態で出会い、彼女から「木原選手とペアを組みたい」とオファーしたのがキッカケと聞いた。 トライアウトで初めて彼女をツイストリフト(上空に投げる技)した時、木原選手は「驚くほどの高さだった」と、彼女は「滞空時間が長かった」という感想を持ったそうだ。 『ラブストーリーは突然に』のサビみたいな出会いを演出した神様にも感心してしまう。 9歳差の2人が最初にしたことは敬語を止めることだったという。 建前を取り去ることで感情を近付け、気持ちを共有することが重要だったのだろう。 でも、それが成立できたのは、お互いに対するリスペクトの気持ちがあったからだと思える。 フリーの演技を終えた後の姿がネットで注目され「クリムトの名画”接吻”のよう」と話題になっていたけど、SP終了時の姿にぼくは「ミケランジェロの”ピエタ”」を思った。 磔から下ろされたキリストを抱きかかえる聖母マリアの姿。 聖母のごとく彼を復活させた彼女の哀れみこそ金メダルに値するものだと思う。 「生まれ変わっても璃来ちゃんとペアを組みたい」と木原選手が言うように、お互いが「欠かせない存在」なんだな。
2026.3.01

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