■銀幕のビッグ・スター■  高倉 健

1956年『電光空手打ち』で映画デビューしてから、半世紀以上も日本映画を支えてきた名優だけど、最初から俳優志望ではなく、マネージャー見習いの面接でスカウトされ、東映ニューフェイスを受けた経歴というから人生は不思議だ。 代表作『日本侠客伝』シリーズ、『昭和残侠伝』シリーズ、『網走番外地』シリーズは殆ど見たことがない。 ぼくが健さんの映画を観るようになったのは『ザ・ヤクザ』以降からだ。 たくさんの映画に出てきた健さん映画で、ぼくが好きなのは『幸福の黄色いハンカチ』『野生の証明』『駅 STATION』『ブラック・レイン』かな。 倉本聰脚本で唯一の連ドラ『あにき』も好きだった作品。 去年公開された映画『あなたへ』は、エキストラの仕事紹介メールが来ていて「健さんの映画なら出たいな」と思いながら、日程が合わなくて断念した。 撮影現場で健さんと同じ空気を吸いたかったなぁ。
2013.2.06

■「ヨイトマケの唄」■  美輪明宏

去年の『NHK紅白歌合戦』の中で、インパクトが一番大きかったのが美輪明宏の「ヨイトマケの唄」だった。 普段はビビッドな黄色の髪の毛に女性のコスチュームが定番の美輪さんが、黒いショートのウィッグを被り、男性的な黒いシャツに黒いスラックスという、普段とガラッと違うイメージにまず驚かされた。 そして歌ったのが、長い間「ヨイトマケ」とか「土方」が差別用語になるということで放送自粛されていた歌だから更にビックリ。 何故今この歌を選び、何故NHKが放送に踏み切ったのか、興味は背景に何があったのかというところに至る。 この歌を聴いた若い世代にも、大きな反響を呼んでいるらしい。 「感動した」という女子高生も多かったそうだ。 マイノリティなスタンスの芸能人のはしりである美輪さん。 『もののけ姫』のモロの君のように、達観した存在の美輪さんの、演劇的な歌の世界観に、力強さを感じたんだろうな。 全てのパーツが大きくて、黄色いヘアーが特徴的なので、似顔絵としては描きやすい存在です。
2013.2.06