『HERO』(2001.1〜フジテレビ 月9)

 第1話の視聴率が33.4%で、昨年のTBSドラマ『ビューティフル・ライフ』の初回視聴率をあっさり抜いて、ドラマ初回視聴率の歴代1位になったそうだ。 キムタクの出るドラマは期待できるという伝説が出来た感じ。 ぼくがキムタク出演ドラマを見た最初の記憶は、確か一色紗絵主演の『その時ハートは盗まれた』で、主人公の憧れる先輩役。 でもここまでドラマを引っ張る牽引力が出てきたのは、なんと言っても『ロング・バケーション』からだろう。 その前に『あすなろ白書』の、健気に女の子を愛する切ない役柄を好演していたけど、人気大ブレイクはやっぱり『ロンバケ』から。 キムタクは男っぽい『眠れる森』とか『ギフト』、『協奏曲』とかもいいけど、『あすなろ白書』『ロング・バケーション』『ビューティフル・ライフ』のような(あ、どれも北川悦吏子脚本だ)ちょっとナイーブな役もいい思う。 今回の『HERO』は、ナイーブとはちょっと違うけど、なんか『古畑任三郎』の若い版のような正体が解らない、トボケた演技のキャラクターで、新しい魅力を見せてくれている。 最初は、松たか子との2度目の共演ということもあり、あまり期待してなかったんだけど、回が進むにつれてキャラクターの違いが強調されてきて、面白くなって来た。 ただ検事の仕事が一般には馴染みの無いものだけに、今後の展開でどう見せてくれるのかが気になるところ。 巷ではこのドラマの影響で、キムタクが着ているダウン・ジャケットが早くも売り切れ店続出とのこと。 セリフの「ヨロシコ!」と共にどこまで視聴者を引っ張っていけるか、今後に期待。
雨宮舞子 久利生公平