■侍たちの総大将■  原辰徳 監督

現役時代は"若大将"と呼ばれた原監督。 "侍ジャパン"を率いて出陣した当初は、まだWBCの盛り上がりもイマイチだった。 第1ラウンドの最初の韓国戦で、コールド勝ちした辺りから徐々に盛り上がってきた。 その後、順風ではない進み方が尚更、盛り上がりに拍車をかけた感じがした。 ベンチで試合を見つめる原監督の姿は、常に姿勢が良く、正に陣中で戦況を見つめる大将のようだった。 三振した城島がバットを置いたまま、バッターボックスを去って、アンパイヤの反感をかい退場になった後、選手交代を告げる時にアンパイヤに対して、にこやかな笑顔で対処していた心使い。 優勝後、「まったくお前さんたちぁ、良い侍になった!」と言ったシャンパン・シャワーのセリフ。 日本に戻っての会見で、足の負傷で先に帰国していた村田選手に金メダルを渡す際には、立ち上がった村田選手に、「歩けないだろ。そのままでいいよ」と自ら席をたち、村田選手のところに近づいて、メダルをかけてやった姿。  "名将"と感じたシーンだった。
2009.4.01

■ムードメーカー■  川崎宗則

イチローを師匠と仰ぐ彼は、人一倍練習に励む努力家だそうだ。 イケメンが多くなったプロ野球界にあって、女性の人気ナンバー1が彼なんだそうだ。 イチロー並の野球センスと、少年のような甘いマスクは、男臭くてむさくるしい体育会にあっては、王子様系の存在だろう。 「そりゃモテるはずだわ」と頷ける。 今回の大会では、あまり活躍の場面は少なかったけど、常にベンチから大声を出し、陰で選手を鼓舞していた、チームのムードメーカーだった。 優勝会見で「今回の収穫は、イチローさんがユンケルを飲むのが、試合の1時間前だということが解ったことです」と、ここでも常に、師匠の動向から学ぼうとする真摯な姿勢が見えた。
2009.4.01