「なんで現場に血が流れるんだ!」 織田裕二

日本の映画の中では珍しく、エンターテイメントに徹した内容と、よく練られたストーリーと魅力的なキャラクターが満載の『踊る大捜査線』。 映画版の第1作は、警察内部を”会社”に例え、警視総監のことを”社長”と呼んでいたことから、犯人の少年たちが、そうとは知らずに拉致誘拐するというメインのストーリーに、小泉今日子が犯人の事件や制服マニアの男の犯人が絡んで、しかも3日間徹夜で捜査していた青島刑事の伏線が、ラストの大どんでん返しで笑わせてくれた。 今公開中の第2弾、「レインボー・ブリッジを封鎖せよ」も、きっと何かを観客に仕掛けていそうで面白そうだ。 織田裕二は、デビューの映画『湘南爆走族』から一気に人気を得て、良い作品に恵まれて来ていると思うね。 『振り返れば奴がいる』の時は、ラストで石川(石黒賢)を助けられず病院を逐われて行くだけだったそうだけど、「最終回に司馬(織田)を死なせたい」という提案をして、脚本の三谷幸喜を手こずらせたとか。 織田裕二の出演作では、『東京ラブ・ストーリー』と並んで代表作だろうし、ぼくの好きな作品でもある。 『男はつらいよ』もテレビ・ドラマから始まって、国民的映画にまでなりギネスにも載っているほどのシリーズになったけど、もしかしたら『踊る大捜査線』も国民的映画になったりするかもね。
2003.8.01

アイドル志向の中沢惣八郎 山咲トオル

『戦慄タコ少女』は未だに読んだことがないけれど、本職のマンガ家としてよりタレント業の方が忙しくなった感じの彼。 元々アイドルになりたいという希望があったみたいで、聖子やピンクレディーの振り真似は完璧。 若い頃はカラオケなどの映像にも出演したそうだね。 ぼくが彼を初めて知ったのは、『笑っていいとも』だったか『踊るさんま御殿』だったかのバラエティー番組で、マンガ家としての登場だった。 でも、ああいう芸風(?)のキャラはテレビ的に”いじり易い”のか、急速にいろんな番組のゲストに出演するようになった。 気がつけば「太田プロ」の所属になっていて、タレント業が本職になってしまったみたいだ。 でもタレントになったマンガ家は、蛭子能収にしても楳図かずおにしても、何故かみんな”きわもの”的な扱いが多くなるのは、マンガに対する偏見の目があるのかな? それとも単に当人のキャラかな? 山咲トオルの似顔絵を描いていて思ったのは、目鼻などのパーツ毎に見ると、さとう珠緒に似ていると思うことだ。 彼が女装してカツラを着けたら、きっと彼女そっくりになるんじゃないかな?
2003.8.01