■晴れやかな銀メダル■  浜口京子

アテネ・オリンピックのときはプレッシャーからか、あまり良い表情がなかったけど、今回の北京オリンピックでは、とても晴れやかな笑顔で表彰台に登っていた。 一度オリンピックを経験しているということが、精神的な安定となっていたんだろう。 顔面骨折や誤審などで不運が続いていたから、本人としては辛かった4年間たったと思う。 そして本音を言えば、やっぱり金メダルを獲って欲しかった。 「気合だー!」と喝を入れて応援してきた、父親のアニマル浜口さんも、練習後は張りつめた気持ちを解くために、笑いビクスを考案したりと、彼女を支える体制は万全。 3位決定戦に勝利した彼女が、2階席によじ登り、母親と抱き合って喜ぶ姿は、北京オリンピックの名シーンのひとつだね。 試合が終わったばかりなのに、アニマル浜口さんが「ロンドン!ロンドン!」と連呼するのは、アテネの時とおなじだけど、今回の彼女は何かがふっ切れたのか、「レスリングが大好きなので、ロンドンに行きたい」と意欲的な発言もしている。 似顔絵を描いていても、明らかに表情が明るく、内側から自信が溢れているように見える。 ロンドンに出場したら、今度こそ金メダルを獲ってくれそうな予感がするな。
2008.9.01

■体操界のニューホープ■  内村航平

北京でオリンピック初出場ながら、体操男子個人総合で2位となり、銀メダルを獲得した彼は、まだ19歳。 鞍馬や吊り輪など力技が苦手だそうで、個人総合の時も鞍馬で2度降りてしまうミスがあった。 大きく順位を落としたが、他の選手たちもミスを出した中、跳馬と平行棒で順位を上げ、試合の行方はわからない状態になった。 最後の鉄棒で3回の宙返りを決め、着地も見事に決めた結果、銀メダルの快挙となった。 3回目のコールマンは、ちょっと危ない感じもあったけど、ガッチリ鉄棒を掴み成功。 日本の選手の演技は、膝や足先がピーンと伸びていて、"美しい体操"を体現していた。 団体総合と個人総合で銀メダルを2個獲って、本人にもまして注目を浴びたのが、母親の周子さん。 期間中の情報番組でよく見掛けた。 彼のルックスは、体操選手にしては前髪が長く、見た目はサッカー選手のような印象がある。 これも19歳という若さの表れなのかもしれないね。 表彰台で笑っていた表情は、八重歯が見えて、どこか幼い印象を受けた。 きっと童顔なんだろう。 今後の4年の間に、力技の鞍馬や吊り輪を強化して、是非ともロンドンでは金メダルを獲って欲しい。 その位置に一番近い存在が彼のような気がする。
2008.9.01