■グッときたぜよ〜!■  長瀬智也

『白線流し』の時のような、ナイーブな役も良いとは思うけど、なんと言っても長瀬くんの真骨頂は、”熱い男”だろう。 思えば『池袋ウエストゲートパーク』以来、ヤクザやチンピラの役が多くなった。 静かなインテリの役は、ほとんどやっていない印象がある。 『ハンドク!!!』や『タイガー&ドラゴン』など、いつも叫んでいるようなシーンが頭に浮かんでくる。 暴力的な役ではなかったけど、ぼくが好きだったのは、『ムコ殿』の桜庭裕一郎役。 大スターでありながら、お茶目な性格の裕一郎が良かった。 今回の『歌姫』での四万十太郎は、今までの彼の役柄の集大成という感じで、男気があって喧嘩っ早いけど、不器用な優しさに満ち、また笑いの部分もあって、とても魅力的なキャラクターになっていると思う。 「グッときたぜよ〜!」が口癖の太郎。 全編にわたって高知弁で展開されるストーリーは、ドップリと世界観に浸らせてしまう鍵になっていて、見終わっても高知弁が頭から離れない。 漁師の”ゲルマン”、スナックのママの恋人”ロシア”、旅館の女将”鯖子さん”、”クロワッサンの松”など、不思議で魅力的なキャラたちが満載のドラマ。 記憶をなくした彼が流れ着いた、土佐清水の町の映画館・オリオン座の娘、鈴(相武紗季)との恋模様が主軸。 2人のキスシーンは切なくて、ドラマ史上に残る名シーンだと思った。 ぼくのドラマ・ベストランキングの上位に君臨するドラマになりそうだ。 
2007.12.01

■秋田弁の”丸顔”■  小池栄子

ハッキリ言って、ぼくは小池栄子は苦手だった。 『ワンナイ』でのコントで、強気な設定が多かったのと、肉感的な体形がどうもダメだった。 フジテレビ、1998年の深夜帯で放送されていた『美少女H』というドラマは、今活躍している女優さんを多く輩出した番組。 現在、名前が知られている人でも、内山理名、水川あさみ、佐藤江梨子、北川弘美、吉井怜、中村愛美、黒坂真美、仲根かすみ、緒沢凛などがレギュラー出演していたドラマ。 その中のひとりだった小池栄子。 それ以後、雑誌のグラビアでよく見かけるようになり、そしてバラエティー番組にも頻繁に登場するようになった彼女。 でもドラマや映画では、同じような役柄ばかりで、イメージが定着していた気がする。 更に、映画『恋愛寫真』での、広末涼子を殺す役だったり、ドラマ『大奥』でのお歯黒姿は、鬼気迫るものがあり、ちょっと敬遠してしまう存在だった。 『歌姫』での彼女は、記憶を失う前の四万十太郎の妻で、秋田弁しか話さないという設定。 そして、今までの彼女のイメージを払拭するほど、健気で可愛い女を演じている。 「お、小池栄子、良いじゃん」と思った。 間違いなく、彼女の代表作になったんじゃないかな。
2007.12.01