■今やハリウッド俳優■  二宮和也

貴志祐介の原作を蜷川幸雄が監督した映画『青の炎』で、継父を殺害する高校生役だったのが印象に残っている。 ジャニーズの「嵐」として活躍していた当時から、他のメンバーに比べて、どちらかというと静かでおとなしいイメージだった二宮くん。 その後、映画『ピカ☆ンチ』や、ドラマ『Stand Up』『南くんの恋人』『優しい時間』を経て、クリント・イーストウッド監督のハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演。 結構、良い作品や良い監督に恵まれていると思う。 今期のドラマ『拝啓、父上様』は、『優しい時間』から2度目となる、倉本聰脚本ドラマの主演になる。 ちょっと頼りなさそうなイメージの二宮くんには、倉本さんの描き出す”訳あり”な登場人物には合っている気がする。 30年前のヒット・ドラマ、萩原健一主演の『前略おふくろ様』を彷彿とさせる世界観と、神楽坂のお洒落な街並みが、独特の雰囲気を醸し出していて良い。 彼の顔の特徴は、面長の輪郭に眉毛が真横になっていて、時にやや八の字の”困ったちゃん”になるイメージ。 それが繊細さと頼りなさを感じさせるんだと思う。 前歯2本が目立つのも特徴の一つ。 笑っていない時は、やや鼻の下が長く、少し上唇が前に出ている感じだけど、笑った時は鼻の下が短く、口角がアヒルのようにめくれ上がる。 似顔絵は、笑った時と笑ってない時のどっちのイメージで描こうか迷ったけど、両方を融合した感じで描いてみた。
2007.2.01

■いくつになっても”可愛い”女性■  八千草薫

若い時の写真を見ると、可愛いのは当たり前だけど、この人ほど時が経っても変わらない”可愛さ”を保っているのは珍しいと思う。 映画全盛時代から活躍していて、ぼくが初めて知ったのも、映画『男はつらいよ』の第10作目「寅次郎夢枕」だった。 この映画ではマドンナを演じ、寅さんの幼なじみという設定。 八千草さん扮する”千代”は、本当は寅さんに好意を寄せていたんだけど、大学助教授との”恋のキューピッド”を寅さん自身が買って出て、想いのすれ違いが切ないお話。 『男はつらいよ』にはマドンナの方が寅さんを好きになる設定は、初期の作品では珍しいことで、それだけに切なさが伝わる。
テレビ・ドラマ史に残る作品、山田太一脚本の『岸辺のアルバム』では、当時としてはショッキングな”不倫”をする妻の役だった。 貞淑を絵に描いたようなイメージの八千草さんが”不倫”をする(と言っても、プラトニック?なものだったけど)ところに、”日常を一歩踏み出す”という意味があったような気がする。 そして、ぼくが一番好きな『前略おふくろ様 Part 2』では、元芸者の料亭の女将さんで役が、これまた可愛い女性だった。 おっとりしたイメージのは、『アンティーク西洋骨董洋菓子店』『フード・ファイト』『恋人はスナイパー』『愛し君へ』など、優しい母親役が定着している。 鼻がちょっと大きく、上唇下唇ともにポッテリとしていて、目尻が下がっているのが特徴。 
2007.2.01