■ボケても可愛い■  相田翔子

Wink時代は、あまりテレビを見なかった期間だったので、彼女の人気のピーク時の活躍を知らないんだけど、最近のバラエティー番組での独特の発言が面白い。 整った顔立ちで、いつまでも”可愛い”とか”清楚”という言葉が似合う人。 あれだけ人気のあったアイドルだったのに、口から飛び出してくる言葉は、非常に庶民的なものだったり、時には浅田美代子か西村知美ばりのボケ解答が出てくるから面白い。 天然ボケが少し入っているのか、本人はいたって真面目に喋っているだけなのに、ドンドン普通からずれていく。 そんな、”可愛い”だけではないところが、不思議と彼女のキャラを良い方向に後押ししているから、これは「人柄なんだなぁ」と思ってしまう。 上手に年を重ねている感じなのも良い。 彼女を見ていると、「八千草薫さんのスタンスに似てるなぁ」と思うことがある。 若い時からお年を召しても、見た目の可愛さだけでなく、お茶目な部分の可愛さを失わず、”可愛い女”というイメージを保ち続けているところが似ているように感じるんだな。 お婆ちゃんになっても、清楚で可愛いお婆ちゃん役で活躍して欲しいと思える女優さんなので、バラエティーばかりでなく、もっともっとドラマにもドンドン出て欲しいと思うなぁ。
2006.4.01

■色気のあるバイプレイヤー■  北村一輝

「濃い顔してるなぁ」というのが、この人を見た第一印象だった。 安田成美主演のドラマ『リミット もしも、わが子が…』で、臓器売買を目的にした幼児誘拐の犯人の、仲間役だった彼の容姿とリアルな演技力に、かなりのインパクトを受けたのを覚えている。 初めて彼の顔を見たとき、「この人純粋な日本人? それともハーフ?」と言う感想。 あの顔は記憶に残るよね。 その後のドラマでも、一癖ある謎の人物を演じることが多く、その存在感がドラマを引き締めていた。 『大奥』での将軍役、『あなたの隣に誰かいる』の”死神”のような謎の人物など、不気味な雰囲気のキャラが多かった。 NHK『ネット・バイオレンス』では、ネットを通じて主人公の夏川結衣を、誹謗中傷の攻撃をする人物で、現代社会の匿名性の裏の悪意を見事に表現していた。 ドラマで彼を知るようになった後、映画の出演作を観たんだけど、『皆月』のチンピラ役にしても、牧瀬里穂主演の『ターン』の役にしても、やっぱり普通の人間ではなく、常識から逸している考えを持ったキャラだった。 そんな中で、数少ない普通の人間役だったのが、上戸彩と共演したドラマ『ひと夏のパパへ』の父親役で、それまでの路線とはひと味違う演技だった気がする。 ただ、やっぱり彼の真骨頂は、妖しい存在や癖のある存在の方が光っているように感じるな。 そういう意味では今回の『夜王』で、新宿歌舞伎町ホスト界の四天王のひとり、”聖也”を妖しく色っぽく演じたのは正解だと思う。
2006.4.01