■角界のベッカム■  琴欧州

祝・大関昇進! 19場所での大関昇進は、史上最速の記録だそうだ。 ヨーロッパ出身力士としては初めての存在。 思えば日本の国技である”相撲”の勢力図は、何度も塗り替えられてきた。 かつて高見山の活躍によって、曙、武蔵丸と続いたハワイ出身勢の時代。 今場所(九州場所)で史上初の7連覇を達成した、朝青龍をはじめとするモンゴル出身勢。 そして、次なる勢力になるかの勢いのヨーロッパ勢がある。 ブルガリア出身の琴欧州、グルジアの黒海、ロシアの露鵬&白露山、エストニアの把瑠都、その他にもチェコ、ハンガリーなどの出身力士が後を追っている相撲界。 今や国技であった相撲は、国際色豊かなスポーツに発展した。 外国人力士は、各部屋1名という規則が出来て、入門する外国人にとっては狭き門になってしまったけど、それくらい外国人力士が増えた現状がある。 琴欧州の本名は、カロヤン・ステファノフ・マハリャノフというそうで、まだ22歳というから前途有望な存在だ。 今場所は大関昇進をかけての出場で、大関・千代大海や横綱・朝青龍を敗ったことで、大関は確実となった。 伝達式での緊張ぶりや、たどたどしい口上も、彼の誠実さが表れていた。 垂れた眉毛に優しい目尻、高く通った鼻筋といい、日本人好みのマスクは、女性ファンを増やす起爆剤。 地元ブルガリアでも大相撲は中継されていたようで、両親は息子の活躍に誇りを感じていた様子。 今やブルガリアの英雄誕生だ。 次は横綱を目指して、相撲界を活性化して欲しい。
2005.12.01

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■氷上のフェアリー■  浅田真央

フィギュア・スケートのシニア大会に初出場した、グランプリ(GP)シリーズ中国カップで2位に輝いた彼女。 11月19日のフランスカップでは、得意のトリプルアクセルを決め、堂々の優勝を飾った。 2年前だったか、フジの『スーパーニュース』のスポーツコーナーで彼女を採り上げたのを見て、初めて彼女の存在を知ってから、彼女のニュースを出来るだけ録画してきた。 だから最近の活躍で、国民的な人気になっていく彼女が、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちで見ている。 華奢な体形で無邪気な笑顔。 タイツでスケートシューズをくるんだスタイルは、脚をいっそう長く見せている。 体を反らせて片足のブレードを持ちながら回転するビールマンスピンは、彼女の場合は片手で持つスタイルが独特。 15歳らしい、ピンクや鮮やかな色のコスチュームは、彼女の魅力を引き立てている。 オリンピックは、7月1日の時点で満15歳になっていないと、年齢制限で出場資格が得られないという。 彼女の誕生日は1990年9月25日ということで、僅か87日の差でトリノ出場の資格が得られない。 「特別措置でなんとか出場させてやれないか」という思いは、日本国民の大勢の意見だろう。 彼女がトリノの氷上を舞う姿を想像すると、「妖精のような彼女の笑顔に、世界中がビックリするだろうな」と思う。 そんな中、彼女の目下の目標は、前人未踏の4回転ジャンプ。 15歳らしくお菓子パワーを原動力に、愛犬のトイプードル「エアロ」と、モデルの姉の舞と共に、次の大会の優勝を目指している。
2005.12.01