■「病気は、どうして私を選んだの?」■  沢尻エリカ

バランスのとれた、お人形さんのような顔立ちで、「可愛い人だなぁ」というのが第一印象。 初めて見たのは反町隆史のドラマ『ホットマン』で、斉藤祥太か慶太かのどっちかが恋する女の子の役だった。 その時、「この子は必ず主演を張る女優になる」という予感を感じた。 2年経った今年に入って、様々な役柄をこなせる女優に成長した感じがする。 TBSドラマ『あいくるしい』では、市原隼人が好きになる女の子で、しかも聾唖者という難しい設定を魅力的に演じていたし、テレ朝のスペシャル・ドラマ『零のかなたへ 〜THE WINDS OF GOD〜』では、若い特攻隊員(森田剛の前世?)の妻の役で、しっとりと哀しみを表現していた。 どちらも、若い彼女には複雑で難しい役柄だったけど、演技の成長が見られていた。 映画では井筒監督の『パッチギ』で主演したりと、活躍の場が広がってきている。 そして今期は、ドラマ『1リットルの涙』で連ドラ主演。 去年の春の昼ドラ『桜咲くまで』(TBS)は見ていなかったけど、ゴールデンでの初主演となる『1リットルの涙』も、実話に基づく悲しいストーリー。 不治の病に冒される主人好を健気に演じている。 タイトルのセリフは、語尾が震えていて、思わず涙が滲んだほど良い演技だった。 先日、昔録画した山田太一の特集番組で、『岸辺のアルバム』の八千草薫(当時40歳くらいだろうか?)を見ていて、彼女に似ているように感じた。 松嶋菜々子や竹内結子のように、大物女優になってくれることを期待している。
2005.11.01

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■個性的で硬派なダンサー■  森山未來

TBS『情熱大陸』で、彼を採り上げた回を見たことがある。 映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ヒットで、一躍注目の的となった彼が、仕事の移動途中、駅の構内だったかで携帯カメラで撮影した女性に、「やめてください。あなたがやられたら嫌でしょ」と窘めていた。 人気に乗ってファンに迎合することも、チヤホヤされることを意識もしない彼のスタンスが伝わってきた。 彼の目指すものは、小さい頃から習ってきたダンス(ジャズ、タップ、ヒップホップ、クラシック・バレエなど)を武器に、舞台や映画で活躍することみたいで、他のことには頓着が無いようだった。 田村正和主演ドラマ『さよなら、小津先生』で初めて彼を見た。 今ではいろんなドラマで顔を見る脇知弘くん(『ごくせん』の金髪デブちゃん)と一緒に、問題児グループだった彼。 脇くんもそうだけど、彼もかなり個性的な顔立ちだったから妙に印象に残ったし、初めて見る新人だったから「誰だこいつ?」と気になったのを覚えている。 彼をハッキリ認識したのは、ドラマ『ウォーターボーイズ』の”タテノリ”役だろう。 そして映画『世界の中心で、愛をさけぶ』に繋がり、今期の”月9”『危険なアネキ』に伊東美咲と主演を張っている彼。 せっかくダンスが得意な彼なんだから、倉本聰の『昨日、悲別で』のような「ダンス・シーンのある役柄を与えてあげれば良いのになぁ」と思う。 イラストは、本当は『危険なアネキ』のメガネ姿を描こうと思ったけど、メガネが顔を隠すので、『世界の中心で、愛をさけぶ』の時のイメージで描いた。 亜紀の病室を「ロミオ参上!」と言って入ってくる朔太郎の図。
2005.11.01