■「田村でも金、谷でも金」■   谷亮子

アテネ・オリンピックの第一号金メダルとなり、日本の金メダルラッシュの牽引役を果たした、「柔道女子48s級」のヤワラちゃんこと谷亮子選手。 大会前の練習で足を怪我してしまい、ギリギリまで心配されたけど、流石の女王は貫禄の勝利だった。 「野球」日本代表チーム、オリックスの谷佳知選手との夫婦一緒の出場で話題になったけど、決勝戦後に控え室に向かうヤワラちゃんに、二階席から声をかけて祝福する彼の姿は、とても良い感じの夫婦像を見せてくれた。 試合の緊張から解き放された彼女の顔は、一転して”優しい妻”の顔になっていたのが印象的だった。 トレードマークの髪を束ねるカラーゴムは、他の日本の選手に継承されているみたいで、上野雅恵、横澤由貴、日下部基栄、阿武教子など、みんな似たような髪形で縁起を担いでいた感じに見えた。 スポーツ選手はジンクスを気にする人が多いようで、何かいつもと違うことをして勝ったりすると、次回からもそれをジンクスとして同じスタイルに託したりする。 カラーゴムや髪形だけでなく、試合前にコーチが選手の背中をパンパンパンと3セット叩いて気合いを入れる仕草も、日本の選手はみんな同じようなスタイルだったし、畳に上がってウォーミングアップする仕草も、どこか似ていた。 それだけ”勝ち”に対して貪欲になっているんだろうね。 さてヤワラちゃんは、4年後の北京オリンピックは3連覇を狙うんだろうか?
2004.9.01

■「チョー気持ち良い」■  北島康介

過去のオリンピックなどの国際大会では、前評判が高く「金メダル間違いなし」などの評価を受けていた選手が、意外と力を発揮することが出来ずに、期待はずれに終わることも多かったけど、北島康介ほど期待通りの結果を出してくれた選手はいなかったように思う。 100メートルのレース前、カメラが選手を紹介するために、一人ずつ映していく。 彼がワンショットになった時、ドラマ『プライド』のキムタクのように、左胸の”日の丸”を右手で掴むポーズをしたのを見て、「やっぱり普通の若者なんだなぁ」という親近感が湧いた。 片道の50メートルを19かきで泳ぐ彼が、ライバルのハンセンを振り切って1位でゴールする姿は頼もしい。 試合以外で見せる、おちゃらけてはしゃぐ姿と、インタビューなどで自身の水泳観を語る姿のギャップが良い。 きちんと自分の考えを言葉にして伝えることが出来るのは、日頃からハッキリした目標と「今、何をすべきか」という課題に、真正面から戦っているからなんじゃないだろうか。 金メダルの2冠を制したことで、CM出演もきっと増えるだろうし、ギャラも桁外れに上がるんだろうけど、泳ぐことに対するスタンスを変えることなく、記録向上を目指して欲しい。 日本の水泳界に現れた大スターは、北京でも金メダルを量産してくれると良いな。
2004.9.01