■てるてる パピコ■  石原さとみ

去年のJ-フォン『写メール』のCMで注目され、話題に登るようになった彼女。 デビュー僅かで、菅原文太との共演映画『わたしのグランパ』では、菅原文太の孫娘役に大抜擢されるラッキーガール。 TBS『きみはペット』では、「嵐」の松本潤の元彼女という設定で、気の強いダンサー志望の女の子という役だったけど、あまりパッとしなかった。 彼女はまだ”女の妬み”とか陰湿な感じの役は合わない気がした。 だから今流れているグリコ『ポッキー』のCMや、榊原郁恵の『夏のお嬢さん』を歌いながら浜辺を走る『パピコ』のCM(CMデビューは、このCMが最初らしい)みたいな、明るく元気な役の方が合っていると思う。 女優街道のエリートコースとも言える、NHK「朝のテレビ小説」のヒロインを見事に射止め、その『てるてる家族』では等身大の女の子(と言っても、時代背景はちょっと昔)の役どころを好演している。 今時の女子高生にはない、元気があって笑顔も爽やかだけど、どこか古風で物静かな感じも兼ね備えた彼女は、きっと良い女優になるだろうと期待している。 NHKお控え室でファンへのサインを書いていた時、役名の「岩田冬子」を見た父親役の岸谷五朗が、「岩田冬子じゃねえだろう、岩田パピコだろう?」と茶々を入れたそうだ。 今年は”太い眉毛”がトレンドになるらしいので、キリッと太い眉を持つ彼女にとって、更なる飛躍の年になるかも知れないなぁ。
2004.3.01

■赤い洗面器の男■  三谷幸喜

三谷幸喜と言えばこの”赤い洗面器を頭の上にのせた男”。 いまだに謎のエピソードで、「オチなし」とも噂されているもの。 『警部補・古畑任三郎』の桃井かおりの回で、DJ役の彼女がラジオの放送中に切り出したエピソードだったが、結末を謎にしたまま逮捕されてしまったのが初登場。 その後、山城新伍の回と江口洋介の回や、『王様のレストラン』にも登場する。 今年始めの『古畑SP』でも久々に登場したが、世界のジョークを知っているという男の立ち話で、しかも外国語だったため古畑は理解できないという形になっていた。 このエピソード、どこまで引っ張るのかな?  ところでNHKの大河ドラマ『新選組!』もスタートして2ヶ月、巷では「時代考証が滅茶苦茶」などの批判もあれば、「新しい大河ドラマの兆し」というような好意的な意見もあるみたい。 ぼく個人としては、納得させてくれるような面白いものであれば、必ずしも時代考証に添っていなくても良いと思っている。 第一、最近では『トリビアの泉』などで意外な真実が判ってきたりして、世の中の事象が全て真実かというと怪しいものが多い。 初代アメリカ大統領のワシントンの有名な逸話、「桜の枝事件」も実は著者の勝手な創作だったそうだし、水戸黄門だって諸国漫遊の旅なんてしていなかったというし、「忠臣蔵」も事実とはかなり違っているという。 時代劇にしたって史実や時代考証に忠実にしたら、セリフのほとんどを視聴者は理解できなくなってしまうだろう。 先日放送の回で、近藤勇が坂本竜馬と再会し、土佐藩が「土佐勤皇党」を発足したことに憧れた勇が「私も入れてください」と言うが、土佐出身でないとダメだと断られる。 と、竜馬が「多摩勤皇党を作ればええがぜよ」と提案。 天下のNHKで「タマキン皇党」なんてネーミングを堂々とセリフにしてしまう斬新さは、流石に三谷流のドラマになっていると思い、楽しくなった。 まあ、どう考えても『新選組!』には、”赤い洗面器”は出てこないとは思うけど、新しくて面白い大河ドラマを目指して、「頑張れ、三谷!」と応援したい。
2004.3.01