■オスカーを獲って欲しいぞ■ 渡辺 謙
この人は、若い時より歳をとるに従って味わいが出てきて、良い歳のとりかたをしている、色気のある役者だと思う。 『独眼流政宗』は見てなかったけど、映画『たんぽぽ』で山崎努の相棒の役だったのと、『池袋ウエストゲートパーク』の刑事役が印象に強く残っている。 年末に放送されたNHKの『川、いつか海へ』でも、三谷幸喜脚本の回で、うだつの上がらない温泉旅館の亭主をコミカルに演じていて、シリアスもコメディーもどちらもこなせ、しかも存在感がある演技は素晴らしい。 白血病を克服して芸能界に復帰したあと、今度は破産騒動の会見などもあり、波乱に満ちた人生を送っている。 『ラスト・サムライ』の演技が絶賛されて、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされるかもしれないというから、人生ってのは解らないもの。 破産会見の時は、「これで芸能人生が終わったかも」と思っってしまったもんだ。 同じ白血病を克服したアイドル、吉井怜の実話ドラマ『神様、何するの』のなかのセリフで「生きてりゃ良いこともあるよね」というのがあったけど、彼の人生を見ていると納得してしまう。 こうなったら是非、アカデミー賞を獲って日本人初のオスカー俳優になって、ハリウッド映画にバンバン出て欲しいものだ。 |
2004.1.01 |
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